うどんは日本人がもっとも慣れ親しんでいる食材のひとつであり、文化である。普通であり続けるがゆえに、個性をだすことが非常に難しく、既存の文化以外の新たな文化をつくることは難しいのではないかと思う。そんなありふれたうどんだが、私がとある観光地に行ったときに出会ったうどんは、まさにびっくり仰天のうどんであった。ありふれたうどんを、ちょっとした工夫で話題にしている珍しいお店であったので参考までに書き記しておきたいと思う。そのお店の名物メニューは、きつねうどんであった。
きつねうどんといえば、うどんの上にお揚げがのった定番中の定番メニューである。きつねうどんを名物にするには並大抵のことでは無理だと思われる。そこで、そのお店がとった手段はきつねうどんを逆さにしてしまうことだった。どういうことかというと、うどんの上にきつねがのっているのではなく、きつねのなかにうどんがはいっていて出汁に浮いているのだ。いうなれば、いなり寿司のうどん版が出汁に浮いているのだ。
その稲荷を割ってうどんを食べるわけだが、見たことのない形態なのでびっくり仰天である。味自体はそれほど特徴のあるものではなかったが、観光地ということを考えるとインパクト勝負に打って出たことは正解だったのではないかと思う。日々の疲れを忘れ、楽しみにきている観光地において、目で見て楽しめる食事を提供するということも立派なことだと思うからだ。きつねうどんという定番中の定番メニューでも見せ方を変えることで、新しいものに生まれ変わるというよい例だと思う。こういった、目で見て楽しめるお店も観光地などで立ち寄る分には楽しいと思う。